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強い子のミロ!

スコティッシュ・テリアのミロ(別名・ミロ軍曹)と、マラソンに魅せられ中のボス・うめの日記。

サロマ湖100㎞ウルトラマラソン(4) -生後2922日-

74㎞の鶴賀エイドを過ぎ、80㎞までの間はつらかった(いや、ずっと&最後までつらかったけど)。
70㎞関門閉鎖時刻は13:45、でも最もシビアな80㎞関門は15:00で、70㎞通過がギリだと80㎞まで1時間15分しかないので、13:30までに70㎞を通過できればと思っていた。
ところが実際の70㎞通過時刻は13:36。
そして、いっぱいいっぱいでスピードが落ちつつある中、手元の時計でも、75㎞までの5㎞に40分かかった。
こ、これは、80㎞関門ぎりっぎりだ!!!
とにかく「80㎞までは、歩いたらアウト」とだけ思って走り続けた。

歩いている女性を追い越すとき、
  「ロキソニン3錠飲んじゃった~。もうだめ~」とケイタイで話している声が聞こえたりした。
私も、最終手段で痛み止めを持ってはいたけれど、この全身状態で飲むのは怖いので、走れないほどの痛みがないことが本当にありがたかった。
さすがに胃の不快感・吐き気はあったので途中で胃薬は2度服用し、おかげで最後まで固形物(スイカとか梅干しとか)も食べることができた。

そして、国道442から左折すると間もなく80㎞関門、というところまできた!
この角を戻って逆方向に走っていくランナーが見える。
あぁ、あの人たちは、最後の難関・ワッカを走り終えゴールまであと2㎞なんだ・・・と羨ましく眺めながら左折しようとしたら、タッチーがまたまた出現、「がんばれー」と声をかけてくれる。

なんでこんなにピンボケなんでしょうか。でも載せる。

左折してすぐに、3つ目のスペシャルを置いているエイドが。
この先に80㎞関門があるので、ぎりぎりの場合はスペシャルや飲食物をピックアップだけして関門を通過してから飲食すべし、と聞いていたのだけれど、時計を見ると余裕がありそうだったので(正確に何分余裕があったか覚えていない)、その場でスペシャルを作って飲むことにする。
が、疲労でモーローとしていて非常に段取りわるく、もたもたしながらもなんとか飲み干し、ごみを捨て、手を洗ってから関門へ向かう。
・・・遊歩道で木陰ながら、小さいアップダウンが続いて、なかなか関門に着かない。やばし。

やや焦りながら進むとようやく関門のゲートが。
ゲートの横で係員のおじさんが「みなさんは間に合うからね~」とかけてくれる声を聞きながら、80㎞関門通過、09:58:05。予定より11分遅れ、関門閉鎖まで2分切っていた!あぶないあぶない。
(後で、エイドから関門まで600mくらいあったらしいことを知る。キロ7分半で4分半かかる。本当に、危なかった・・・)

80㎞に滑り込んだランナー、みなしばし休息。私も立ち止まりはしなかったけれど、ここでやっと自分に「歩く」ことを許した。
ここから残り20㎞には3時間という猶予が与えられている。
が、ここからも時間との勝負、疲労に負けて歩き続けてしまったらあっという間に時間が過ぎてしまう。
そこで、ここからは1㎞ずつラップをとり、9分よりも貯金ができるように歩いたり走ったりのペースでいくことにする。

いよいよワッカ原生花園の遊歩道へ。
正面から西日に照らされ、左手のサロマ湖と右手のオホーツク海がきらきらと光り輝き、なんだか夢の中のような気分になる。

  ここは、あの世・・だったりして?

なんて思う。危ない。

(カメラのタカハシさんから買った写真。たぶん80㎞~90㎞の間)

自分では写真を撮ることも思い出さないまま、わずかに残った思考力は全てペースをとることに傾ける。
キロ表示から3分走ったら、3分歩き、また走り出してほどなくキロ表示、そのまま3分走って・・・というペースで、なんとかキロ7~8分で刻めるようだった。

歩けば楽かというと意外とそうではなくて、呼吸が一息つけるぶん、余計なことを考えてしまう。
「なんとかイケそう?」と考えた端から「でもこれがあと3時間も続くんだ・・」とほとほとイヤになったり。
それでも走り出すときには気合いが必要だったが、走り始めてしまえばキロ6分半くらいのペースでスイッと走れ、どんどん追い抜くことができて気持ちがよかったり。でも歩いていると抜いた人にまた抜き返されたり、そんなことを続けていた。アップダウンもあってけっこうキツい。
ワッカの中のエイドは往路・復路とも使える。大きめのところもスポドリを切らしていたり氷がなかったりするところがあった。

90㎞関門の手前、ワッカの折り返し手前まできたところで、どうしてもトイレにいきたくなってしまった!
水分補給がしっかりできていた証拠、とはいえ、ワッカの中は仮設の和式しか見当たらず、この脚・身体の状態で、立ち上がれなくなったらアウトだ・・・
・・・なんとか立ち上がれた。たぶん、順番をまっていたランナーには私の気合いの声が聞こえたはず。(そのランナーも同じく叫んだはず。)

少しストレッチして(ここまで足首を回す以外まったくストレッチせずにきた)リフレッシュし、折り返して90㎞関門通過、11:20:35。
予定より、2分半遅れ!80㎞から8分半も挽回できた!

関門を過ぎてすぐ、ケイタイからメール着信音が。
これまでも関門を過ぎるとランナーズアップデートで見守ってくれている家族や友人からメールが届き、走りながら読んでは励まされていたけれど、もうその余裕は(頭も身体も)なかった。
でも、メール着信音だけで、本当に心強く嬉しかった・・・。
ひとりじゃないんだ~・・・。

エイドでスイカや梅干しを食べる。スイカ、普段はほとんど食べないんだけどサロマでは美味しかったな。面倒で種もそのまま食べた。
せっかく90㎞も走ったのに、道端で座り込んで動けなくなっている人がいたり、すれ違う人(90㎞過ぎていない人)が知人とすれ違って「だめだよ~90の関門もう間に合わないよ~」と言っているのが聞こえたり、みんなギリギリのところで、最後に残った力を振り絞っている。

3分歩いて走り、距離表示を過ぎて3分走ったらまた3分歩き・・・を気が遠くなるほど繰り返し、ついに、ワッカ入口の木陰の道まで戻ってきた!
そして、最後の(スペシャルをもたもたと作った)大きいエイドのところまで、戻ってきた!!

ここからゴールまでは、あと2㎞ちょっと。
あとは歩いてもゴールできるという時間で辿り着くことができ、エイドでは、ボランティアの人たちとお礼を言い合ったりエールを交わしたりして皆、笑顔だった。
冷たいアミノバイタルゼリーをもらい、最後の補給をして、あと一息がんばってね!と送り出される。

ゴールまでの最後の2㎞は、がんばって走ろうと思っていた。
思っていたのに、もう、どうしても、えいっ!と走り出すことができず、よいしょ、よいしょ、と歩いてゴールを目指す。
沿道からは「あと少し!」「がんばれ!」と声援が、悔しいけど、どうしても、走れない。
よいしょ、よいしょ、よいしょ・・・・・

「あと1㎞」の表示も過ぎた。
沿道にはたくさんの人。地元の応援、ランナーの同行者、もうゴールした(あるいはリタイヤした)ランナーが、まだ戦いが続いている私達を応援してくれる。
と、そこに見慣れた人影が。
くさやまさんだああああああ・・・・・!!!
草山さん(左の黄色いTシャツ)に励まされながらさらに進むと・・・

タッチーと、一緒にサロマ入りしたサトウさん・ヤマザキくん・ミキくんが並んで私のことを待っていてくれた!!

(う・・・長々とお待たせしてすみません・・)

みんなの声援を受け、最後に残っていたエネルギーに着火!
よしッ!走るッ!!と叫んで走り出す。
コースの両側はぎっしりと応援の人垣、口々に
  「おかえり!!」
  「よくがんばったね!!」
  「あとすこし!!」
と、暖かく力強い言葉で迎えてくれて、ぐっときながらダッシュする私。
最後のコーナーを曲がると・・・

あら、すぐゴールゲート!100mないかも。
前方にもたくさんランナー。
やばいサングラス外さなきゃ。
やばいやばい、ゴール写真が他の人と重ならないようにタイミングずらさなきゃ・・・無理っ!!

で、みなさんと一緒にゴール。


記録は、グロス12時間49分02秒、ネット(自分がスタートゲートを通過してからのタイム)12時間47分25秒でした。

あとちょっと続きます。
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コメント

うめさん、完走おめでとうございます!
100kというとんでもない長い距離でも、しっかりトレーニングを積んで、事前のレース対策を練り、当日は最後まであきらめなければゴールが待っていることを示されましたね。最後はちょっと胸が熱くなりました。
また来年も行きましょうねv-219

  • 2011/07/30(土) 14:41:31 |
  • URL |
  • 陽和papa #-
  • [ 編集 ]

v-22陽和papaさん
あああ、そう言っていただけると本当にうれしいです。
「完走できたら1カ月うれしい」と聞いていましたが、
いまだに思い出すとニヤニヤします。
来年、来年、来年・・・・・!

  • 2011/08/08(月) 12:33:53 |
  • URL |
  • うめ #-
  • [ 編集 ]

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